当医院では、不妊治療を望まれる方に禁煙をして頂きます。
タバコにはニコチンやたくさんの有害物質が含まれており、血管を収縮させ血流が悪くなります。
血流が悪くなることによって、子宮・卵巣・男性機能など様々な影響を与えています。妊娠中にタバコを吸うと、流産、早産、死産の率が高くなり、胎児の発育も悪く、低体重児の原因になるだけでなく、出産後の赤ちゃんの成長にも影響します。
喫煙者は平均閉経年齢が早いことが分かっています。これは喫煙により、卵細胞が早くに枯渇してしまうことが原因とされています。
さらに、喫煙により卵の質が低下し、妊娠しづらくなります。
体外受精を行なった場合も、喫煙者は成功率が低下します。体外受精における喫煙女性の妊娠率は非喫煙者に比較し、平均20%減少すると報告されています。また、妊娠したとしても流産率が高くなります。
男性の喫煙は勃起不全や精子の状態にも影響し、喫煙している人の精子濃度、総精子数、総運動精子数に有意な低下をもたらします。
禁煙することで以下の図のように直後から健康面での改善が見られます。
厚生労働省のHPより抜粋
ご夫婦揃っての禁煙が必要です。
治療が必要な方は禁煙外来をご紹介いたします。お気軽にご相談下さい。
加熱式タバコ・電子タバコについて
加熱式タバコは、タバコ葉に直接火を付けるのではなく、タバコ葉を熱することでニコチンを発生させます。
一方の電子タバコはタバコ葉を使用せず、ニコチンとタールの入っていないリキッドを使用します。リキッドを電気加熱することによって発生する蒸気を吸引します。
※ニコチン入りのリキッドは、日本では販売が禁止されています。
加熱式タバコ
・IQOS
・プルームエックス
・グロー
・ブルーム・テックなど
電子タバコ
・DR.VAPE
・Veco One
・CALIBURNなど
加熱式タバコはニコチンが含まれているため、“安全”とは言えません。また、リキッドタイプの電子タバコはニコチンとタールが含まれていないので安全だとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、中にはエタノールなどのアルコール系の成分が含まれているものもあり、こちらも“ 100%安全”とは断言できません。
不妊治療をお考えの方は、ご夫婦そろっての禁煙が必要です。
妊娠中の加熱式タバコ使用と妊娠高血圧および低体重出生との関連
(2021-9-30)
加熱式タバコや電子タバコに関する日本呼吸器学会の見解と提言
(改定2019-12-11)