子宮内膜炎とは

子宮内膜とは、子宮内の粘膜組織で、受精した胚が着床する重要な場所です。
子宮内膜炎とはこの粘膜組織が炎症を起こすことです。
細菌感染が主な原因ですが、出産や流産・子宮内膜症とも関連がありますが、詳しいことはまだ解明されていません。

急性子宮内膜炎

急性子宮内膜炎では、月経の時に子宮内膜が剥がれて、一緒に細菌も体外へ出ていき、自然に治る場合があります。

症状

・発熱
・下痢
・下腹部痛
・おりものの増加
・不正性器出血など

慢性子宮内膜炎

慢性子宮内膜炎は、子宮内膜の深い基底層にまで細菌が侵入し、炎症が起こり、持続している状態です。月経時に基底層が排出されないため、感染は慢性化します。基底層に残る細菌は、再生されてくる機能層で再度感染するため、経過は慢性化します。

症状

ほとんどの人に自覚症状はない
時に不正性器出血や骨盤痛などがあるが、症状に乏しいことが特徴
生理不順や無月経・炎症が卵管に及ぶことなどにより、不妊症になることもあります。

子宮内に雑菌が繁殖し、細菌感染が続くと炎症症状が慢性的になり、感染症のために免疫活動も活発になり、受精卵を異物として攻撃してしまう可能性が指摘されています。

不妊症患者の約30%の方に慢性子宮内膜炎があり、反復着床不全や、流産を繰り返す原因の一つであると考えられます。