甲状腺機能障害・プロラクチン過剰症
甲状腺機能障害とは
甲状腺機能障害には、甲状腺ホルモンが十分に分泌されない「甲状腺機能低下症」と、過剰に分泌される、「甲状腺機能亢進症」の2種類に分類されます。
そして、このどちらも生理不順の原因になり得ます。
(1)甲状腺機能低下症と生理不順
明らかに重度の甲状腺機能低下が認められる場合には、生理不順となることがあります。
また、甲状腺の機能が低下することによって、黄体機能も低下する場合があります。
つまり甲状腺ホルモンは、卵子が発育し、妊娠・出産に至るまでにある程度の量が必須であると言えます。
甲状腺ホルモンは子宮内膜にも影響すると言われていますが、詳しくは分かっていません。
ただし、高度の甲状腺機能障害は卵胞の発育を止め、エストロゲンの分泌を妨げるので、子宮内膜が厚くなりません。
2)甲状腺機能亢進症と生理不順
甲状腺機能亢進症がなぜ生理不順を引き起こすのか、詳しくはわかっていませんが、生理の量が少ない、周期が長い、無月経といった症状が出ます。
プロラクチン過剰症(高プロラクチン血症)とは
妊娠中や授乳中はプロラクチン濃度が高くなりますが、それ以外の時期で高値の場合は異常とみなします。
これをプロラクチン過剰症(高プロラクチン血症)といいます。
プロラクチンの値が高いと、卵胞の発育を止め、排卵できないようにします。
授乳時に生理が来ないのは、この働きによるものです。
また、黄体機能を低下させる働きがあります。
プロラクチンが高くなる要因は薬剤によるもの、下垂体腺腫、ストレスなどがあります。
また、甲状腺ホルモンの低下はプロラクチンの分泌を促進する場合があります。