第25回不妊カウンセラー・体外受精コーディネーター養成講座に参加して

山中 栄子  
 2009年10月10日・11日と東京で開催された第25回不妊カウンセラー・体外受精コーディネーター養成講座に参加して興味深い講演、考えさせられた内容を挙げました。

今回の特色として、様々な分野からの講師の講演でした。
小児科医、泌尿器科医、漢方を専門にした講師に加え、今まで出自に関しての講演は第3者の講師でしたが今回は当事者の講演があり、とても心に残りました。

まず小児科医の講演です。ヒトの性には6つの性があると考えておられ、染色体・性腺・内性器・外性器・ gender identity(自己意識)・法律上の性を挙げられました。普通は遺伝で決定されるものであるが、昨今 gender identity(自己意識)の問題も大きく取り上げられ尊重されるものだとゆう意見をされていました。

講演中、恐縮されていましたが小児科医の立場からARTにより子供を授かった段階の負の側面(リスク) を述べられていました。そのリスクとは(1)生まれてきた子どものリスク、(2)母親のリスクB家族のリスク、(3)ARTに携わる医療従事者、すなわち産科医、小児科医、不妊カウンセラー、体外受精コーディネーター、 遺伝カウンセラーなどのリスク、(4)不妊医療そのもの、参加あるいは小児科一般治療、新生児医療(とくに NICU)のリスク、(5)社会のリスクです。ARTにより生まれた子供の追跡調査が行われていない現状があることも問題と提議されていたことも印象に残りました。

漢方を専門にされている講師の内容については難しいかなと思っていましたが、当院の笠岡院長も漢方に 精通しており笠岡院長の勉強会で聞いた内容とだぶり聞きやすかったことです。 当クリニックに通われている方も漢方薬の処方があると思われたかもしれませんね。

最後に出自に関しての講演ですが、『非配偶者間人工授精AIDにおける出自を知る権利』と題して講演された当事者の講演です。

*非配偶者間人工授精AIDとは無精子症の父親の代わりに匿名ドナーの精子を不妊治療に使うことで子どもを作る治療

講師は内科医でありたまたま偶然に事実を知り、親子関係に疑問を持っていなかった講師には突然の出来事であり自分がいったい何者かわからずにあ然と過ご時期がありそれを乗り越えての講演でした。 婦人科医たちは告知をしない方向で指導してきたため、おおくのカップルが子供への事実告知に否定的であり、実に95%にカップルが告知しないという 調査結果があるとのことでした。事実告知の方法が確立されてものではありませんが、事実告知に際して波は両親と子どもだけでは困難も多く、 医療者、カウンセラー、福祉・養育の専門家など幅広い関連職種のサポートが必要だと講師は 結んでいました。
実際、当クリニックではAIDの施行はしていませんが当事者からの訴えを聞き、ARTに関わってきた自分としては考えさせられる講演でした。

今回、知りえた情報や知識は治療に役立てられる努力をしていきたいと思いました。